ヒトを形成するのは細胞核にあるDNAだけではない。細胞の表面、ミトコンドリアにあるゲノム、脳の神経細胞、ホルモンなど、数多くの要素がある。細胞の名称は同じでも、人それぞれつくりは異なっている。
▼細胞の表面
細胞の表面には、「MHC」という糖タンパク質がある。ヒトのMHCである「HLA (Human Leukocyte Antigen/ヒト白血球抗原)」は最も個人差があると言われている。
▼ミトコンドリア
ミトコンドリアも、ミトコンドリア独自のゲノムを持ち、個人差が示されている。広く研究されている細胞核のDNAとは異なり、ミトコンドリアのゲノムは変異が生じやすいという特徴がある。未だ解っていないことは数多くある。
▼ホルモン
ホルモンの種類は、男性ホルモンや女性ホルモンなど、100種類以上あると言われる。ホルモンの種類や量は、人の体質や気質に大きく作用する。
▼脳の神経細胞
脳の神経細胞(ニューロン)は、脳全体で860億個ある、あるいはおよそ1000億から1500億個あるとも言われているがはっきりとはわかっていない。ニューロンとニューロンをつなぐシナプスは、人によって数も太さも違う。シナプスが太く多いほど脳のネットワークが強固に広がることになり、情報処理の質や量が変わる。
細胞の成長や機能は、先天的に異なる。けれど栄養や運動や休養の質や量によって、細胞の成長や機能は変化する。医学の父ヒポクラテスが生きた紀元前の時代から、「環境」、「食事」、「生活習慣」が個人を形成する大きな要因になることが分かっている。
しかしながら科学を以てしても多くのことは未だ解っていない、ことも分かっている。
解っていない、ということがわかっているなら、自分の細胞がどうとかこうとか、自分に才能があるとかないとか、できるとかできないとか、科学や常識によって決めつけることはない。決めつけられたくもない。