2025-10-21

23.できないができるになる理由(2) DNAの変化

細胞が分裂する時、DNAはまるでコピー機で複製されるように、全く同じままコピーされ増え続けるものだと、学生の時からずっと思っていた。

それは、大きな間違いだ。

ヒトの身体には30兆個以上の細胞がある。それらの細胞核に、23対(46本)の染色体があり、染色体は全長約1.8mのデオキシリボ核酸(DNA)でできている。そのDNAの配列は加齢に伴い変化するまた細胞分裂の際に変異することが近年の研究で明らかになっている。

DNAの配列変化/東京大学
https://www.u-tokyo.ac.jp

DNAの変異東洋大学
https://www.toyo.ac.jp



ヒトのDNAに配列されている情報は、ヒトゲノムと言われる。よく考えてみれば、ヒトゲノムは何万年もの時を経て、ヒトがヒトになる遙か以前の生物から脈々と受け継がれ、変化し続け形成されている。

現代の自然環境や生活環境は、石器時代と比べても、100年前、10年前と比べても、変わっている。生物は生存するために、そして、より生命力のある子孫を残そうとして環境に順応し、その経験がDNAに刻まれ、その結果として現代のヒトゲノム、今の私たちのDNA配列はできている。

遺伝子は、DNA全体のたった1〜2%の部分を成すタンパク質。よほど強い情報でない限り、遺伝子の配列も変化する。(遺伝子以外の部分、非コードDNAと呼ばれる部分は、細胞の機能を制御するのに不可欠であることが明らかになっている。2000年から2003年まで行われた、ヒトのDNAを解読をするヒトゲノム計画では、非コードDNAは無意味なゴミとみなされていた。)

DNAはデオキシリボ核酸という物質であり、グリシン、アスパラギン酸、葉酸、グルタミンなどでできている。DNAは肝臓でつくられるつまり、食事を怠り栄養素が不足すると、これらの成分ができないことになり、細胞分裂が健全に行なわれないことになる。


核酸とは/オーソモレキュラー栄養医学研究所
https://www.orthomolecular.jp


だから一人ひとりの人生の途中においても、ゲノムの配列は変化し得る。退化もすれば進化もする。

ヒトはコピーロボットではない。ヒトは機械ではない。ゲノムは設計図ではない。DNA配列が、ゲノムが、生物をつくっているわけでもなければ、遺伝子が自分の人生を決めているわけでもない。DNAの配列は、生物個々の継承の痕跡、祖先からの贈り物。その良いところを継承し、時代遅れのものは変わり続ける。

私は自分のDNA配列や遺伝情報を一度も調べたことがなく、多くの人は自身のDNA配列を知らない。自分のDNAについて知らないのであれば、自分の可能性も自分の考え方次第、と捉えることができる。


ゲノムは設計図でもレシピでもない/ JT生命誌研究館 
https://www.brh.co.jp