2026-01-25

32.動画の編集

2020年頃にPowerPointで動画が作れることを知り、試しに絵のッスン動画を作ってみた。その後、Windowsに備え付けの動画編集ソフト(確かMovie Maker)の存在に気づき、作った動画にBGMを付けた。

そしてYouTubeのアカウントを作り、ナスやピーマンの動画を配信したものの、動画編集にそれほど興味が惹かれることなく、三日坊主で終わってしまった。Movie Makerは知らない間になくなり、デスクトップに新しく加わったClipChampが動画編集ソフトだと知ることもなかった。

その頃から好きなお笑い芸人さん達のYouTubeを見るようになり、色んな関連動画を見ていて、ふとまた動画を作ってみようと思いたった。

15種類の色鉛筆で塗り比べた巨峰の動画をずっとそのままにしていたため、その動画から編集することにした。

ClipChampで動画が編集できることを何で知ったか忘れたけれど、画面上にある記号ボタンをあれこれクリックしては、戻るボタンを押し、動画の速度を速めたり、切り取って省いたりしている内に、編集操作が楽しくなってきた。

著作権フリーのBGMを検索し、選んだ音楽が、切り取って速めた動画の尺にピタッと合うと嬉しくなり、ますます楽しくなった。

専門家に依頼すれば、たぶんもっと簡単に、より良い動画がきっと出来上がる。

だけれど、自分でやっているからこそ、出川さんの『充電させてもらえませんか?』を見ていて気づけたことがある。

今までとは違い、出演者だけでなく、恐らくプロがこだわりぬいて編集した映像や、選びぬかれたBGMにも目や耳がいくようになり、放送を見るのがより楽しくなった。

プロの制作を引き合いに出して自分の稚拙な動画のことを語ることは憚れるけれど、それでも動画や音楽をコンマ数秒単位で切り取り、あれやこれややり直したりしているとあっという間に時間が経ち、楽しい気持ちが味わえる。

ワーキングホリデーでドイツにいた時、夜遅くまで色鉛筆で絵を描くことに熱中し、翌朝が来ることが待ち遠しく、次に描く絵のことを考えワクワクしていた頃の記憶が蘇る。



2026-01-05

31.粘土細工の試作@HOME


実家にあった紙粘土。固くなっていたけれど、水を少しずつ足すと捏ねることができるようになった。








プレス板代わりに底が平らな豆腐の半透明プラスチックケース、絵の具のパレットと水バケツ代わりにアイスクリームのミニカップを2つ再利用。

丸い型を取る物が見当たらず、100均で計量スプーンを購入。

まずはマカロンを作ってみた。

計量スプーンで丸い形を作ろうと思ったけれど、粘土の粘着性が強く、スプーンに粘土がくっついて上手くいかず。

粘土を丸め、豆腐のケースを使い上から押して平らにしてみたら、なんとかマカロンっぽくなった。

ピンクに着色した残りの粘土を練って丸め、ついでに団子を作った。

バケツに貯めていた水で手の汚れを落とし、同様に、緑色やベージュや茶色に着色しては、その都度他に何が作れるかを考えると楽しくなってきた。

黄色の粘土を丸め、乾いてからカッターで切ると、カッターの茶色い錆びが断面に付き焼き芋っぽく見えたため、紫色に着色した粘土を巻き、黒色で少しだけ焼き色を付けた。

栗きんとんは、台所の排水溝フィルターを使って成形。使用したフィルターは、フィルターとしてそのまま使える。



 3日間で作成



色んなスイーツを作って自己満足。物作りはとても楽しい。

手指を動かし粘土を捏ねて練って、小脳辺りのシナプスが新たにつながった!?気がする。

けれど、バケツの底に溜った粘土のカス、机の上にボロボロと落ちた粘土カス。
色鉛筆で絵を描くのとは違い、家での作業は別の意味でも色んな神経を使う・・。



2025-12-30

30.紙粘土の試作@美術部


古紙や、固まって使えなくなった絵の具、木工ボンドを有効利用するため、紙粘土を作ってみた。


シュレッダー古紙




出なくなった木工ボンド





固まった絵の具






シュレッダー古紙を水に浸し、濾す。




ボトルからこそげ取った木工ボンドを混ぜる。




水で溶いた絵の具を混ぜ、橙を作る。




数日乾燥させ固まったら、白色の絵の具を塗り、鏡餅完成。
台は色画用紙の端切れで作成。






鏡餅が完成した後、使っていなかったジュースミキサーが美術準備室にあるのを、美術の先生が発見。

古紙をミキサーにかけても、ザラザラ感やブツブツ感は多少残ってしまう。部員のアイデアを基に、その質感を活かした工作を試作し、年明けまで乾燥中。

クエン酸と重曹で紙が溶けやすくなるようなので、また試してみたい。



ーーー 追記 ーーー



美術室にあった1年前の開封済みの紙粘土と、美術準備室で美術の先生が発見した未開封だけれど乾燥してしまっている紙粘土に、水を足してジュースミキサーで混ぜるとクリーム状に。




水の量が多すぎたため捏ねることはできず、数週間乾燥させ、クリームの絞り口を使うと成形ができる状態になった。



31.粘土細工の試作@HOME



2025-12-29

29.美術部指導員

2004年から色鉛筆アート教室や展覧会をおこない、絵心がないという言葉を何度も耳にし、もしも子供の頃からそういう思い込みがあるのなら、その思い込みを抱く前に絵を描く楽しさを知ってもらいたいと思うようになり、そんな時に“学校ボランティア”の仕事があることを知った。

2023年に早速学校ボランティアに応募し、某学校から早速連絡があり、サポーターとして仕事をした2年後、ありがたことに色々幸運が重なって、2025年6月から美術部指導員の仕事に就くことができた。

そう簡単に、子供の興味や苦手を変えられるものではないけれど、私は社会人になってから絵を描くことに興味を持ち始めた。 今までなかった興味を突然抱くこともある。

色鉛筆だけじゃなく色んな画材や道具を使い、色々アート創作を試し、子ども達にもなんだか楽しそうと思ってもらえればと思う。 美術室には、過去に使っていたであろう画材や道具がいっぱいあり、ワクワクする。




<部活指導員応募のため提出した小論文> 

テーマ:『公立学校の部活動指導において、今求められていることならびに自分ができること』800文字程度


  
公立学校の部活動で今求められていること一つ目は、授業では得られない多様な体験を部活動で提供することによって、生徒の興味関心が広がり好奇心が高まり、「生徒一人ひとりが成長し、学校生活がより豊かになること」です。

部活動では、生徒自らが考え行動する機会が与えられることで自主性・主体性・行動力が養われ、また学年やクラスの垣根を越えたチーム活動を行なうことによってコミュニケーションの機会が増え、社会性・協調性・思いやりを育むことができます。 

加えて、一年間の活動内容を部長・副部長はじめ、部活動経験を持った高学年生徒が主体となって考えることで、責任感・計画性を涵養することができます。そして立てた計画を達成するために部員全員が協力し合い目標に向かって努力する過程で、喜びや困難を仲間と分かち合い、連帯感・自己肯定感を高めることができます。

生徒一人ひとりが、部活動を通しこれらの成長機会を得るためにも、専門知識のある指導員が部活動を支え指導に当たることが望ましく、また同時に、教員の労働時間や指導の負担を軽減する観点から、「専門知識を持った外部指導者を活用すること」が公立学校の部活動で求められている二つ目のことだと考えます。

 美術部の指導員として自分ができることは、アートの専門知識と様々な社会経験を活かして、上記の自主性・社会性・責任感・連帯感の育成に加え創造性・想像力を育てることです。

書き順のある文字ではなく色や形で自由に自己表現する美術には、絵の描き順や美しさを定める絶対的な基準はなく、20年間に渡り絵画教室の講師を行った経験を、生徒一人ひとりが感じる美しさや自己の表現に活かすことができます。運営してきた絵画教室の受講生は殆ど描画経験のない大人ですが、みな物の見方や捉え方は違っており、それは学生たちも同様です。生徒一人ひとりの目線に立ち、創造性・想像力を高め、個個の表現意欲と成長を支えたいと考えています。




30.紙粘土の試作@美術部



2025-12-14

28.興味の起源

 

前世?

以前目にした前世占いの本で、私の前世はドイツの職人と書いてあった。確かにドイツが好きだし、たまたま見たテレビのドイツ語講座に瞬時に惹かれたし、何かしら否定できないものがあるかもしれない。

好きな映画の一つ『Before Sunrise』で、Ethan Hawke演じる主人公のJesseが輪廻転生について語っている。


我々全員が、何らかの形で人類の始まりに起源を持つのであれば、今の僕たちの魂はどこから来たんだろう?って思うんだ。 
だって1万年前の地球の人口は100万人、100万年前の人口はわずか5万人だった。今、地球の人口は50億から60億の間。これは、100万年の間に、魂が1万分の1に分裂したことを意味するんだ。
僕たちは、一個の魂のほんの一部に過ぎないことになる。だから、みんな散漫した訳の分からない気分になるのかな?僕がこんなわけの分からないことを考えることも、理に適っているんだろうけどね。



輪廻転生の考えでは、人だけでなく命あるものは何度も繰返し転生するという。

けれど、初めてこの宇宙に命が誕生してから現在に至るまで、生物の個体数は増え続け、人口の数だけで80億、全動物の数は数えられない。

もしも魂が何度も何度も転生を繰り返すのであれば、Jesseの言うように、一つの魂が分裂し続けているのだろうか。あるいは、この世に対して未練のある魂たちが新しく誕生した動物に乗移り(いわゆる転生?)、満足できなければ他の個体へ移動し、人生二度目三度目という人ができるのか。

結局のところ、輪廻転生が事実かどうか誰にも分からない。肯定も否定もできない。



血は受け継がれ、ゲノムは変化する

ただ事実として、私たち人はみんな、先祖代々だけでなく、先祖が食べた動物の血液や細胞のゲノムを受け継いでいる。

あるいは、感染したであろう細菌のゲノムを、少なからず身体の中に受け継いでいる。

その結果、一つの魂を持つ人として、生きている。

また一方で、細胞が分裂する際に、ゲノムは変化することが近年の研究で分かっている。生まれた時のゲノムを同じまま一生持ち続けるわけでない。

例えば、音楽家の家系に音楽家が誕生するのは、生まれながらにして、音楽を操るためのシナプスをより太くより多く持っているかもしれないけれど、栄養がきちんと摂取され生物的にも音楽家的にも良い環境が整っていなければ、そのシナプスは途切れる可能性もある。

私が高校生になり初めての部活を楽しんでいると、懇談の時に京大卒の数学科の担任に言われた。「部活は1日何時間ですか?せいぜい2時間程度でしょ?勉強は毎日6時間あります。部活に時間を取るより勉強に時間を使った方が、より将来のために役立つと思いませんか?」

生徒の言葉や気持ちを無視し、数字でしか考えない担任に嫌悪を抱き、数学までもが嫌いになった。高二になると担任も数学の先生も変わり授業を聞くようになったけれど、大学受験を終えると数学から解放され、脳の数学分野の思考回路のネジが外れたように数字を受け付けなくなった。

自分が言ったことは往々にして忘れる。
人から言われ忘れられないことは多々ある。

他人の発する言葉によって、またそれをネガティブに受け止め続ける自分の考え方や生活習慣によって、加えて過去に生きた生物や先祖の生命を部分的に継承していることによって、興奮性や抑制性の神経伝達物質が放たれ、ゲノムが変化し突然何かしらの興味を持ったり失ったり、色んなことができたりできなかったりするのだと思う。

ドイツ人職人の魂がドイツ語学習の手助けをしてくれれば嬉しいけれど、私の人生を乗っ取られているとは思いたくない。



→29.美術部指導員



2025-11-30

27.脳のシワを増やす習慣

 

学校で勉強する理由

『子供の脳は柔軟性があり、そのためシナプスは増えやすく、ネットワークが広がりやすい』ことが解っている。

だから、柔軟な脳を持つ子供の時に、学校へ行き勉強する。

「なんで学校へ行かなあかんの?」
「なんで勉強せなあかんの?」
という子どもたちに知ってもらいたい。

学校で勉強する理由は、脳全体に、バランス良くシワを増やすため。

国語・算数・理科・社会・音楽・美術・保健体育・家庭科・技術・英語を勉強する時に使う脳の分野は、それぞれ違う。だから、脳全体のネットワークが広げられるようになっている。

「本来、学校教育は上手く構成されている」と、高校の保健の時間に教わった。

各教科を学ぶ時に色んなことを感じ、考え、行動し、脳の各分野に刺激を与え、脳の各分野でシナプスが増大するように、教育指導は考えられている。

だから授業で、自分自身で考えずに暗記することばかりに脳が使われると、ネットワークに偏りができ、健全な脳の育成ができなってしまう。

良い点を取ることだけを目的にしてしまうと、折角のヒトとしての脳の機能が、上手く活かせなくなってしまう。



思考の偏りによる認知症

そして大人になり、脳の使い方や使う部分が同じまま思考や行動パターンが習慣化され、新たにネットワークを広げることが、もはや簡単にはできなくなる。

同じ分野の脳を使い続けネットワークの偏りが生じると、認知症になる可能性がある。


出典:公益財団法人認知症予防財団


認知症や鬱症状は、遺伝によって起きるのではない。

医師や教師が認知症になる話を聞くと、きっと同じことだけに専念していて、脳の使い方が悪かったんだろうなぁと思う。



脳内のカタチは人それぞれ

ストレスやネガティブな刺激を受け続けると、つながっていたシナプスが途切れ、脳のシワが減り、脳が萎縮し、認知症や鬱などの症状が起きることになる。

脳の神経細胞やシナプスの数や大きさ、脳内の形は、人それぞれ異なっている。シナプスのつながりやすさもおそらく先天的に異なっている。

同じ刺激を受けたとしても、その刺激に対する反応や捉え方は個個に違い、
敏感や鈍感という言葉で表わされるヒトの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の衰えは、一概に年齢だけが要因ともえない。

年齢に関係なく色んなことに興味を抱き、刺激を肯定的に感じ、シナプスが増えると、感覚(Sense/センス)が鍛えられ鋭くなる。逆に、シナプスが減ると、感覚は衰え鈍くなる。

例えば、音楽家は微妙な音の違いを聴き分けることができ、美術家は微妙な色の違いを見分けることができるが、興味が失せ、訓練をやめると感覚は鈍くなる。そもそも興味のない物事においては、年齢に関係なく感覚を磨くことは簡単ではない。



脳内に医者がいる

しかしながら、自分自身の意思や思考だけが脳のネットワークを作っているのではない。

生命維持を司る脳の一つの機能に「ミクログリア」という細胞があり、ミクログリアはニューロンの修復や、死んでしまったニューロンを除去する機能を持ち、脳内の医者と言われている。



出典:自然科学研究機構



一方で、ミクログリアは正常なニューロンを殺してしまうことがあるらしい。また、慢性疲労を感じる際の痛みは、ミクログリアが原因になっている可能性があることも示されている。


自然科学研究機構
https://www.jst.go.jp

京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp

日経サイエンス
https://www.nikkei-science.com



自分自身のミクログリアがニューロンの修復を行ないシナプスをつなげようとする。それにも関わらず、自らが思考や行動を改めることなくストレスを感じ続ける。

結果、ミクログリアは愛想をつかして攻撃するのかもしれない。あるいは、シナプスが途切れた方が一個の生物として良いとみなし攻撃するのかもしれない。

その理由までは解明されていない。人も動物、自然の一部。それが自然な生命のメカニズムであることは間違いない。

いずれにしても、同じネットワークを使い過ぎると、あるいは身体を酷使し過ぎると、脳の各分野のバランスが崩れ、脳の健康は損なわれる。

そもそも、細胞やシナプスという物質は、色んな栄養素でできている。

思考だけでなく、紀元前に医学の父ヒポクラテスが重要視した「環境、食事、生活習慣」が、まさに人体機能を司る脳に大きな影響を及ぼしていることは明らかだと思う。



28.興味の起源



2025-11-28

26.記憶のメカニズム


脳はスゴイ

脳は左脳と右脳に分かれ、大脳(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)、間脳(視床脳、視床下部)、脳幹(中脳、橋、延髄)、小脳がある。

脳が刺激を受けると、神経細胞(ニューロン)からアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が放出され、それを受け取るためニューロンが突起を伸ばし、ニューロンとニューロンがつながる。

情報伝達物質は100種類以上あり、刺激によって、放出される情報伝達物質や働く脳の分野は異なる。

1000億個あると言われるニューロンひとつひとつに、1万個ほどのつながり「シナプス」ができている。




シナプスのつながりによってできるネットワーク、それが長期的な記憶の正体


神経細胞同士のミクロなつながり/京都大学総合研究推進本部
https://note.com

記憶のメカニズム/WIRED
https://wired.jp

脳はこうして記憶する/日本学術会議
https://www.scj.go.jp



脳は自分で変えられる

例えば、自転車に乗れるように何度も繰返し練習する時の脳内では、乗れるように思考する大脳が働く。そして、身体を動かすため小脳が働く。

手足や眼球を使うための各分野のニューロンが数多くつながり、自転車に乗れるようになる。

健常である限り、一度乗れるようになった自転車の乗り方を忘れることはなく、あるいは、ひらがなやカタカナや簡単な漢字を忘れることはない。

繰返し行なう習慣や心地良い刺激によって、シナプスはつながり、ネットワークは広がる。

ネットワークが広がるため、知識や知恵や出来る事が増えていく。

逆に、不慣れな外国語や機械操作などは、覚えにくくまた忘れやすい。脳が心地良さを感じず、神経伝達物質が分泌されにくければ、シナプスはつながりにくい。

また過度のストレスによって抑制性の情報伝達物質が放出され、シナプスは途切れ、ネットワークの広がりは減る。

シナプスのつながりは、いわゆる脳のシワ。健康な脳には、左右バランス良くシワが多い。

快楽や苦痛などの刺激をどう感じるか、どう捉えるかは、人それぞれ違う。脳のシワは、自分次第で増やすことも減らすこともできるということになる。




“科学的事実”は更新される
かつて、脳の神経細胞(ニューロン)は死滅すると新たに補われることはないと考えられていた。

しかし近年の研究によって、大脳下部に位置する海馬で、年齢に関係なくニューロンが新生されることが解っている。海馬は短期的な記憶の保持を司る

海馬とは/Brain Suite
https://brainsuite.jp



一夜漬けで試験勉強の暗記をしても、いずれ忘れる。一度や二度の絵画レッスンやスポーツや楽器の練習で上手くなることはない。

海馬で保持された短期的な記憶は、何度も何度も繰返し刺激を与え、ニューロン同士がつながり、シナプスができ、脳の各分野で長期的に保たれる。

ところが一度や二度の練習で簡単にできる人もいる。

体質的に生まれ持った情報伝達物質の量や質、先天的なシナプスのつながりやすさが、おそらく才能やセンスと言われるものかもしれない。

けれど、同じ人間だから、シナプスをつなげる要素は誰にでもある。私にもある。この脳のしくみを知ってから、シナプスを増やすための栄養や休養や運動の必要性を感じ、物事の捉え方を変えることにした。





2025-10-23

25.「できない」が「できる」になった理由|性格の変化


子供の頃は人前に立つのが恥ずかしく、授業中、先生に当てられ発言するのも本当にイヤだった。休憩時間もずっと自分の席に座ったまま、本を読み、読む本がなければうつ伏せて、休憩時間が終わるのを待っていた。当時はまだ絵を描くのが特別好きなわけでもなかった。

今は教室の前に立ち、数十人の前でもレッスンを行なえる。お喋りではないが初対面の人とも会話を楽しむ。けれど団体行動が好きでなく人と群がるのも苦手で、他人と同じであるのがイヤな気質、負けん気のある気質は、子供の時から変わっていない。

たとえば幼稚園で担任の先生の絵を描いた時のこと。洋服の色を、顔と同じ肌の色で塗った。ベージュの服を先生が着ていたかどうかは覚えていない。一色でまとめた方がきれいだと思い、いわばコーディネイトのつもりで、顔の色に合わせて服を塗ったような記憶が朧気ながらある。しかし同じ組の男の子からは「裸や!」とからかわれ、服の形を描いているのに何でハダカ?と思い、その男子を相手にしなかった。

また小学1年生か2年生の理科の時間に、固形石鹸を使う実験をした時のこと。板チョコのように、縦2個×横3個の凹凸でできた小さな石鹸を、2個分だけカッターナイフで切り取るよう指示があった。縦2個を切り取れば簡単に切り取れる。けれど私は何を思ったか、横3個の内の2個を切り取った。それを見た先生は、なぜそんな切り方をするのかと苛立ち怒った。切り方までは指図されていない。別に怒らんでもいいやん、と心の中で睨み返した。

生まれ持った気質は、大人になっても変わらないと言われる。けれど間違いなく、性格は、変化する。

「気質」は生まれつきのもの
「性格」は経験や環境によって形成されるもの


個人を形成する大きな要因の一つは、祖先から受け継いだ遺伝。けれど、環境は、要因としてより大きな割合を占める。

例えば、両親が日本人でも生まれた時からアメリカで生活していた場合、そして日本語を話さず英語だけを使い、現地のルールや文化に従い生活していれば、日本で生活していた人生とは全く異なることが考えられる。

それはアメリカに限らず、国によって文化や常識は大きく異なり、日本国内でも習慣が違う

場所が違えば食事は違い、体質は変わる。
車社会か否かで、日々の運動量が変わる。
文化によって思考パターンや行動パターンは変わり、生活習慣は変わる。
現地で子孫を残せば、子孫はそのDNA配列を受け継ぐけれど、個個のDNA配列は、また変化する。

祖先から受け継いだ遺伝による体質や気質だけでなく、環境によって、個人個人の生活習慣は変わり、「性格」は変化しえる。


マザーテレサ

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。



経験上、そのとおりだと思う。


※マザーテレサは「性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから」と最後に言っている。それには納得できず省いた。「運命」の言葉の意味は、“人間の意志をこえて人間に幸福や不幸を与える力”のこと。自分の意志がおよばず結局は定めに従うしかない、のはマザーテレサ自身の論理に矛盾する。「性格に気をつけなさい。それが人生になるから。」だったら納得できる。

一般的に、DNAや遺伝子が個個を形成する大きな要因と捉えられ、「性格は変わらない」、「絵の才能は生まれつきだから、自分には絵は描けない」と思っている人が多いかもしれない。

そんな思い込みを覆したい。絵が楽しく描けるようになってもらいたい。私もできないことができるようになりたい。可能性の要素・本質は自分自身にあるはず。それを確かめるために脳のしくみについて引き続き調べた。



→ 26.記憶の正体