学校で勉強する理由
『子供の脳は柔軟性があり、そのためシナプスは増えやすく、ネットワークが広がりやすい』ことが解っている。
だから、柔軟な脳を持つ子供の時に、学校へ行き勉強する。
「なんで学校へ行かなあかんの?」
「なんで勉強せなあかんの?」
という子どもたちに知ってもらいたい。
学校で勉強する理由は、脳全体に、バランス良くシワを増やすため。
国語・算数・理科・社会・音楽・美術・保健体育・家庭科・技術・英語を勉強する時に使う脳の分野は、それぞれ違う。だから、脳全体のネットワークが広げられるようになっている。
「本来、学校教育は上手く構成されている」と、高校の保健の時間に教わった。
各教科を学ぶ時に色んなことを感じ、考え、行動し、脳の各分野に刺激を与え、脳の各分野でシナプスが増大するように、教育指導は考えられている。
だから授業で、自分自身で考えずに暗記することばかりに脳が使われると、ネットワークに偏りができ、健全な脳の育成ができなってしまう。
良い点を取ることだけを目的にしてしまうと、折角のヒトとしての脳の機能が、上手く活かせなくなってしまう。
思考の偏りによる認知症
そして大人になり、脳の使い方や使う部分が同じまま思考や行動パターンが習慣化され、新たにネットワークを広げることが、もはや簡単にはできなくなる。
同じ分野の脳を使い続けネットワークの偏りが生じると、認知症になる可能性がある。
出典:公益財団法人認知症予防財団
認知症や鬱症状は、遺伝によって起きるのではない。
医師や教師が認知症になる話を聞くと、きっと同じことだけに専念していて、脳の使い方が悪かったんだろうなぁと思う。
脳内のカタチは人それぞれ
ストレスやネガティブな刺激を受け続けると、つながっていたシナプスが途切れ、脳のシワが減り、脳が萎縮し、認知症や鬱などの症状が起きることになる。
脳の神経細胞やシナプスの数や大きさ、脳内の形は、人それぞれ異なっている。シナプスのつながりやすさもおそらく先天的に異なっている。
同じ刺激を受けたとしても、その刺激に対する反応や捉え方は個個に違い、敏感や鈍感という言葉で表わされるヒトの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の衰えは、一概に年齢だけが要因ともえない。
年齢に関係なく色んなことに興味を抱き、刺激を肯定的に感じ、シナプスが増えると、感覚(Sense/センス)が鍛えられ鋭くなる。逆に、シナプスが減ると、感覚は衰え鈍くなる。
例えば、音楽家は微妙な音の違いを聴き分けることができ、美術家は微妙な色の違いを見分けることができるが、興味が失せ、訓練をやめると感覚は鈍くなる。そもそも興味のない物事においては、年齢に関係なく感覚を磨くことは簡単ではない。
脳内に医者がいる
しかしながら、自分自身の意思や思考だけが脳のネットワークを作っているのではない。
生命維持を司る脳の一つの機能に「ミクログリア」という細胞があり、ミクログリアはニューロンの修復や、死んでしまったニューロンを除去する機能を持ち、脳内の医者と言われている。
一方で、ミクログリアは正常なニューロンを殺してしまうことがあるらしい。また、慢性疲労を感じる際の痛みは、ミクログリアが原因になっている可能性があることも示されている。
自然科学研究機構
https://www.jst.go.jp
京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp
日経サイエンス
https://www.nikkei-science.com
自分自身のミクログリアがニューロンの修復を行ないシナプスをつなげようとする。それにも関わらず、自らが思考や行動を改めることなくストレスを感じ続ける。
結果、ミクログリアは愛想をつかして攻撃するのかもしれない。あるいは、シナプスが途切れた方が一個の生物として良いとみなし攻撃するのかもしれない。
その理由までは解明されていない。人も動物、自然の一部。それが自然な生命のメカニズムであることは間違いない。
いずれにしても、同じネットワークを使い過ぎると、あるいは身体を酷使し過ぎると、脳の各分野のバランスが崩れ、脳の健康は損なわれる。
そもそも、細胞やシナプスという物質は、色んな栄養素でできている。
思考だけでなく、紀元前に医学の父ヒポクラテスが重要視した「環境、食事、生活習慣」が、まさに人体機能を司る脳に大きな影響を及ぼしていることは明らかだと思う。
→ 28.興味の起源

