一人でも多くの人に
色鉛筆の可能性を知ってもらいたい。
自分が今できることを考え、行動することは
とても楽しかった。
新たなことを始めることは
私にとっては問題なかった。
それよりも、継続することの方が難しいと思った。
でも何かを広めるためには、辛抱強く続けるしかない
と思い、展覧会を毎年行い、会場に机を置き、
来場者に体験レッスンを受けてもらえるようにした。
しかしながら、「絵心がないから絵を描くことができない」
と言う声を何度も聞き、教室や展覧会を継続するための
モチベーションは徐々に変化していった。
“Fine Art (=絵画作品)を描く画材として
色鉛筆が広く認知されること”
よりも
“もっと多くの人に
絵を描く楽しさを知ってもらいたい”
“色鉛筆がきっかけとなって
自分自身の可能性をもっと感じてもらいたい”
という願いの方が、強くなっていった。
そして同時に
教室を開講し展覧会を開催し始めてから
約10年経っても、未だ展覧会の会場で
「これ色鉛筆で描いた絵?」
と同じ質問が繰り返されることに
倦怠感を感じ、新たなことに挑戦したい
という好奇心が湧いてきた。
そんな私の感情がいろいろと相まって
色々考えた。
“好奇心や、逆に一歩が踏み出せない警戒心を
人が抱く時、つまり、人が感情を抱き、思考し、
そして行動する時、あるいは行動しない時、
一般的に、人の脳はどのように働き
人生が決まっていくんだろう?”
思い返すと画集『アメリカの色鉛筆アート』に惹かれ
色鉛筆に興味を持ち、絵を描き始めてから、
ずっと疑問を持っていることがある。
“そもそも『興味』はどこからやってくるんだろう?”
私は疑問を持つと解決せずにはいられない。
興味の起源には脳が関係しているはずだと思い、
書店で見かけた脳科学の本を読んだが
“興味がどこから来るか”は、脳科学でも未解明と
書かれていた。
しかしその脳科学の本が読みやすく、
脳のしくみについて色々学ぶことができた。
それによって
同じ画材を使い、同じピーマンの絵を見て描いても、
受講生それぞれ違う絵ができることはまったく不思議ではない、
と納得した。
また、絵を描き始めてから
私の音痴が解消されたことが腑に落ちた。
人の脳は、一般的に思われているより、
自分が思っているより、はるかに精密に
機能しているらしい。
年齢を理由に諦める必要はない。
脳は発達する。
今まで
何かを広めるためには、辛抱強く続けるしかないと
思っていたが、目的を果たすための方法として
“~しかない”ことはない、
自分の脳ミソを自分に合った方法で
働かせれば色んな方法が見つかるはず、
苦手なSNS発信を嫌々使う必要はない、
と思った。
→ 18.一時休講